「不動産はわかりにくい業界」

私は、工務店を経営しながら、不動産投資会社(競売・任意売買)のお手伝いを10年間していました。

その時に感じたことは、物件の品質と、どこの不動産会社に行けばよいのかわからないということでした。なぜなら、その物件の品質や不動産会社のサービスが保証されているわけではないですし、その品質やサービスの中身が目に見えにくいからです。さらには、悪い物件や会社も多いという状況です。

ですので、色々調べて行ってみて良い思いをすることもあれば、逆にがっかりすることもありました。似たような業界で税理士や弁護士の業界も不動産と同様ではないかと思います。その品質(サービス)のレベルが目に見えません。

逆に、品質が一定の世界も多くあります。トヨタ等の日本車はどこで買っても一定の品質ですし、スターバックスはどこで飲んでも同じ味がします。このような業界とお客様として付き合うのは、ある意味大変楽であり、逆に不動産のような、わかりにくい(わからない)業界と付き合うのは大変であるということです。

では、お客様の立場で、何を以ってわかりにくい業界を選定するのかといえば、実績ではないかと思います。そして、その実績から派生する紹介(評判)しかないと思います。ようするに、供給(企業側)からすると、その実績を積み重ねられない限り、悪い評判しか立たず、経営を続けていくことが難しくなります。

不動産事業部の開設以来、特に気をつけていることは、お客様からはわかりにくい業界だからこそ、一度お取引を頂いた時の実績、つまり結果を残すということです。おかげさまで工務店での積み重ねもあり、土地の売買や管理を委託して頂くようになりました。

最近特に多いのは、金融機関からの紹介です。金融機関はまさに実績を重んじる業界で、実績のない会社にお金は貸しませんし、ましてお客様(地主様)を紹介することはありません。紹介頂くということは、その期待に応えられる実績があるということです。その結果を残さなければというプレッシャーこそあれ、それを乗り越えることで新たな実績ができ、さらに前に進めると確信しています。

そして、その実績を残すためには、何よりも人が大切であるということです。詳しくはここでは述べませんが、当社は人が商品です。つまり、お客様は社員を見て仕事を任せるかどうかを判断されます。ですので、どんな社員がいて、その彼らがどんな気持ち(モチベーション)で働いているのかが全てになってきます。

わかりにくい、かつ、人が商品の世界だからこそ、社員の能力、士気を高め、お客様の期待に応える結果を残さなければいけないということを常に考え、行動しています。